子供のガミースマイル矯正について解説!遺伝が原因!?
笑ったときに上あご前歯の歯茎が3mm以上見える状態を「ガミースマイル」といいます。
子どもが小さなうちはさほど気にならないかもしれませんが、成長するにつれて笑顔にコンプレックスを抱えたり、歯列に影響が出たりする可能性があります。
子ども自身がガミースマイルに悩んでいる、あるいは親御さんから見て気になる場合は、矯正も検討しましょう。
今回は、子どものガミースマイルの原因やデメリット、矯正方法、気になる治療の費用相場などをわかりやすくまとめました。
Contents
ガミースマイルは遺伝が原因?生まれつきの要素も少なからずある
ガミースマイルは幼少期から見られる状態なので、「もしかしたら親や祖父母からの遺伝なのでは?」と思う方もいらっしゃいます。
ガミースマイルは歯や歯茎、骨格、筋肉などさまざまな要素が関係しています。とくに骨格や歯の形態については遺伝的な要素もあるため、親や祖父母がガミースマイルの場合、その子もガミースマイルになる要素をもっていると考えられます。
ただ、遺伝的要素があるからといって、必ずしもガミースマイルになると決まったわけではありません。逆に、親や祖父母の誰もガミースマイルではなくても、子どもがガミースマイルになることもあり得ます。
遺伝はあくまでガミースマイルになる原因のひとつであって、絶対的な要素ではないのです。
ガミースマイルのデメリット
ガミースマイルの状態をそのままにしておくことのデメリットを3つご紹介します。
1. 笑顔がコンプレックスになる可能性がある
笑顔になった時の上唇の線を「リップライン」といいますが、上の前歯がぎりぎり一本見えるくらいのところにラインがある「ミドルリップライン」がひとつの理想とされています。
ガミースマイルはミドルラインよりもリップラインが上にある「ハイリップライン」に該当するため、ミドルリップラインに比べるとやや審美性に欠けます。
実際、ガミースマイルにコンプレックスを抱き、思い切り笑えないという人もいます。
2. 口腔内の衛生状態が悪化するおそれがある
ガミースマイルの人は歯茎が空気にさらされやすいぶん、口腔内が乾燥してしまいがちです。
口腔内が乾いていると、殺菌作用のある唾液が減少し、口の中に細菌や雑菌が繁殖しやすくなります。細菌・雑菌は虫歯や口臭、歯周病などの原因となるため、ガミースマイルの人は通常よりも口腔内の衛生状態が悪化しやすい傾向にあります。
3. 歯列が乱れる原因となる
ガミースマイルの人は、上あごが下方向に成長しているため、場合によっては下あごの成長が阻害されてしまう可能性があります。
下あごが未発達だと、歯列が乱れたり、上の歯が下の歯を覆い隠したりする原因になります。
また、あごの発育が不足していると、睡眠などに悪影響を及ぼすリスクもあるといわれています。
ガミースマイルの矯正方法
ガミースマイルは、あごや歯列の矯正を行うことで改善を期待できます。
ここでは、ガミースマイルの主な矯正方法とその特徴を3つご紹介します。
1. ヘッドギアを使った矯正
ヘッドギアと呼ばれる加強固定装置を頭部に装着し、上あごの骨の成長を抑制する矯正方法です。
ヘッドギアが上あごの骨を後方に引っ張ることで、上あごの過度な成長を抑え、下あごとのバランスを取ります。
ガミースマイルの子どものなかでも、特に出っ歯の症状が見られる子に用いられる矯正方法です。
2. 不正咬合の歯列矯正
上の歯が下の歯に覆い被さる「深噛み(過蓋咬合)」を併発している場合に用いられる矯正方法です。
不正咬合の歯列矯正にはいくつかの種類がありますが、最近はマウスピース型のカスタムメイド矯正装置(インビザライン)を用いて矯正するケースが増えてきています。
3. MFT(口腔筋機能療法)
MFTとは、咀嚼や嚥下の異常、舌・口唇の位置異常などをトレーニングによって改善する矯正方法です。
たとえばガミースマイルに多い出っ歯は、指しゃぶりを長く続けるなどの口腔習慣によって起こることが多いのですが、そのようなケースではMFTによる矯正が有効です。
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ガミースマイルになる原因は複数あるため、治療する際は原因に合った方法を選ぶ必要があります。
ここでは、ガミースマイルの主な原因と、それぞれに適した治療法をまとめました。
1. 歯の生え方に原因がある場合
歯の生える方向や歯並びが悪い、歯が短いなど、歯の生え方に問題がある場合は、歯列矯正などで治療できる可能性があります。歯の生え方によっては、あわせて抜歯などを行うケースもあります。
2. 上唇の筋肉が強すぎる場合
上唇の筋肉が強すぎると、笑った時に上唇が過度にめくれ上がり、歯茎が大きく露出してしまう場合があります。上唇の筋肉はMFTなどのトレーニングを行うと適度に緩み、上唇の過剰なめくれ上がりを防止できます。
3. 上あごが過度に発達している場合
上あごの過発達により、深噛みの状態になっている場合は、インビザラインによる矯正やヘッドギア矯正などの治療が有効です。
ただ、上あごの発達状態によっては、あごの骨を切除する手術が必要になることもあります。
ガミースマイルの原因については下記記事にて詳しく解説しています。合わせてお読みください。
【症例写真】ガミースマイルになる5つの原因!6つの治療方法も解説
ガミースマイルは何歳から治療するべき?治療方法によって適齢に差がある
子どものうちは骨や筋肉が未発達なので、成長しきった大人よりも矯正しやすいといわれています。
ただし、治療方法のなかには成長するにつれて効果が薄れてしまうものもあります。ガミースマイルの原因と治療法に応じて、スタートする年齢を検討すべきです。
ここではガミースマイルの治療を開始する適齢を、治療方法ごとにご紹介します。
ヘッドギア矯正は6~8歳前後から
ヘッドギアを用いた矯正では、口腔内にフェイスボウと呼ばれるワイヤーを挟んでから、ネックストラップで後ろから固定し、上あごの過度な成長を抑えます。
ただ、上あごの成長を抑制できる時期は短く、小学校高学年になると効果が徐々に薄れてきます。
そのため、ヘッドギア矯正は小学校低学年~中学年にあたる6~8歳の時期からスタートするのが一般的です。
インビザラインは7~9歳から
不正咬合の矯正に有効なインビザラインには、小児向けマウスピースを使用する「インビザラインファースト」があります。
インビザラインファーストは、上の前歯が生える時期、具体的には6歳臼歯と前歯が2/3萌出していることが条件です。
そのため、インビザラインファーストの適応年齢は7~9歳前後が一般的とされています。
MFTは6~7歳から
MFTはヘッドギアやインビザラインのように装置を使うわけではないので、ほかの治療法に比べると適応年齢はさほど厳格ではありません。
ただ、MFTの内容はやや複雑なので、低年齢のうちはトレーニング内容を正しく理解できない可能性があります。
誤った方法でトレーニングしても十分な効果は得られませんので、MFTの内容が理解できるようになる6~7歳あたりを目安にスタートするのが理想といわれています。
【治療方法別】ガミースマイル治療の費用相場
ガミースマイルの治療費は、歯科医院ごとに異なるほか、治療法による差もあります。
ここでは、ガミースマイルの治療にかかる費用の相場を、主な治療方法別にまとめました。
治療法 | 費用相場 |
ヘッドギア | 30~60万円 |
インビザライン | 60万円~ |
MFT | 3,000円~/1回 |
ヘッドギアの費用相場は一般的に30万円前後ですが、第1期治療の一環として行われる場合、費用が上乗せされることがあります。
MFTの治療費は、トレーニングの指導料も含めて1回あたり3,000~5,000円程度が相場です。
ただ、ほかの治療と並行して行う場合、MFT自体の治療費は無料になるところもあります。
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