審美歯科とは?一般の歯科とは何が違う?
審美歯科とは、歯の機能面を回復させるための治療とともに、歯や口元の美観を重視して処置をする歯科治療です。代表的な治療メニューには、ホワイトニングやオールセラミッククラウン、ラミネートベニア、メタルボンド、クリーニング(PMTC)などがあります。
今回は、審美歯科の特徴や治療メニュー、一般歯科との違いについて解説します。
Contents
審美歯科は歯や口元の美しさにも重点を置いた歯科治療
審美歯科とは、歯の機能面の回復とともに、歯並びを綺麗にしたい、歯を白くしたいなど、審美的な観点を重視しながら歯や口元を整えていく歯科治療です。
口元が美しいかどうかは、人に与える印象を大きく左右します。これまで口元がコンプレックスだった人も、歯を綺麗に整えたことで口を開けて笑えるようになったり、積極的にコニュニケーションがとれるようになったりと、見た目だけでなく精神面でも良い影響を与える場合もあります。
審美歯科と一般歯科の3つの違い
審美歯科と一般の歯科の主な違いとしては、次の3つが挙げられます。
1. 審美歯科は保険適用外
歯の治療は、施術方法や取り扱う材料によって健康保険が適用される保険診療と、保険適用外となる自由診療に分かれます。
一般の歯科治療は保険診療のため、原則医療費の3割を負担することで治療を受けられます。一方、審美的な観点から治療をする審美歯科は保険適用外となり、全て自費で支払わなければなりません。
審美歯科の治療費はクリニックごとに設定金額が異なります。治療の内容や材料によっては、保険診療の一般歯科に比べて10倍近くかかる場合もあります。
2. 治療の目的が異なる
一般の歯科の治療は、虫歯治療や歯周病治療、根管治療、かみ合わせの治療など、口腔内のトラブルや機能的な部分をケアすることが目的です。親知らずの抜歯や入れ歯、差し歯の製作なども一般歯科に該当します。
一方、審美歯科は、笑ったときに気になる銀歯を、自然に見えるよう白い詰めものに替えた、変色してしまった歯にラミネートベニヤを貼り付けて白く美しい歯に見たりなど、歯の機能性だけでなく、美観を考えた治療を行います。歯に沈着した色素を分解し、象牙質の黄ばみをマスキングするホワイトニングも審美歯科に該当します。
3. 取り扱う材料・仕上がりが異なる
審美歯科は歯や口元を美しく仕上げることが目的のため、一般歯科とは使用する材料も異なります。
例えば、虫歯の治療で歯を削ったとき、型取りをして詰め物をしなければなりません。一般歯科では銀歯やプラスチックを使用しますが、審美歯科で白いセラミックを使用するため、詰め物をしたあとの仕上がりが自然です。
また、詰め物を接着するための材料も、一般歯科では使用しない高度な歯科用接着剤を使用します。
審美歯科の主な治療メニューと費用相場
1. 歯を本来の白さに戻すホワイトニング
専用の薬液を歯に付着し、歯の内部に沈着した色素を分解して歯本来の白さを少しずつ取り戻していきます。ホワイトニングにはホームホワイトニング、クリニックホワイトニングほか、その2つを併用して行う方法の3つがあります。
ホームホワイトニングは製作したマウスピースに薬剤を塗り込み、1日1〜2時間程度自宅で装着する方法です。マウスピースを作ったあとは頻繁に歯科に通わなくてよい点がメリットでしょう。効果を実感できるまでには1〜2週間かかります。費用相場はマウスピース代を含めて2〜3万円程度です。
クリニックホワイトニングは、歯科医師や歯科衛生士が高濃度の薬剤を使用して処置をするホワイトニング方法です。
過酸化水素配合の薬剤を歯に塗布し、効果を高めるために光を当てます。すぐに効果が実感できますが、継続して処置を受けないと色が戻ってしまいます。
費用相場は1回につき3万〜7万円程度です。
ホームホワイトニングとクリニックホワイトニングを併用する方法は、デュアルホワイトニングとも呼ばれてします。自宅と歯科で同時にホワイトニング処置ができるため、より効果的に歯を白くすることが可能です。
費用相場は5万〜10万円程度と高額です。
2. 見た目が自然で耐久性の高いオールセラミッククラウン
オールセラミッククラウンは、大きな虫歯を削ったあとの被せ物です。一般歯科の虫歯治療で使用する銀歯やプラスチックは、見た目の違和感ほか、経年による劣化で変色や破損しやすいのがデメリットです。オールセラミックは見た目の自然さだけでなく、耐久性が高く、長時間使用できます。銀歯のようにイオン溶出による変色することもありません。
費用相場は1本30〜40万円程度と一般歯科の詰め物と比べるとかなり高額です。
3. 歯の色や隙間・形を短時間で改善できるラミネートベニア
ラミネートベニアは、ホワイトニングでは白くならない歯や、すきっ歯や凸凹などの歯並びを整えるための処置です。歯の表面を薄く削ったあと、セラミックシェルという薄い人工歯を貼り付けます。爪につけるネイルチップのようなイメージで捉えるとわかりやすいでしょう。
費用相場は1本10万円程度です。
4. 金属冠の表面にセラミックを焼き付けるメタルボンド
メタルボンドとは、虫歯で歯を大幅に削ったときに使用する全部冠(クラウン)です。金属クラウンの表面に、セラミックを焼き付けて作られています。
奥歯は強い力が加わるため、耐久性が高い金属のクラウンを被せるのが主流です。しかし、金属は笑ったときなど口を大きく開けたときに目立ってしまうのが難点です。
メタルボンドであれば、内部は金属の耐久性、表面はセラミックによって目立ちにくい仕上がりなります。
歯茎が痩せると金属部分が露出したり、金属イオンが溶け出して歯が変色することがあります。
費用相場は1本7万〜15万円程度です。
5. プロの手による専門的なクリーニング
審美歯科のクリーニングは、歯科医師や歯科衛生士が専用の道具を使用して、一般歯科よりもより専門的な歯の掃除を行います。PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とも呼ばれ、口腔衛生指導から歯石除去、清掃・研磨、虫歯対策のためのフッ素塗布、トリートメント剤の塗布といった処置をします。
費用相場は5,000〜2万円程度です。
【まとめ】
審美歯科は機能面だけでなく歯や口元の美観する治療
審美歯科の治療は歯や口元の美観を意識して処置をする治療です。ホワイトニングやセラミッククラウンなど、歯を白くしたり、口を開けたときに自然な仕上がるになるよう、一般歯科では使用しないような材料や技術を使って施術します。保険適用外のため、治療費は全額自費となります。
一般歯科か審美歯科か、自分の口腔状態や希望に合わせて、検討しましょう。